MENU
メニュー

アザール 顔を失った宮廷魔術師

"未来を失ったことがある?それなのに、代わりに何も得られなかったことが? だけど失うことによって、本当に大切なものがわかったの"

メルソミニエの女王に仕える魔術師。有事にはガドヴアットの指揮下で戦地へ赴く。顔に空いた空洞から「死の国」の力を呼び寄せ、ほぼ際限なく魔力を使い続けることが出来る。 性格は穏やかで、人の痛みに寄り添う優しさがある。大切なものを失った経験が彼女の強さと優しさの根底にあ る。

巨人族の末裔が治める国フォミニエ生まれのアザールは、美姫と名高い侯爵令嬢4姉妹の中でも特に強大な魔力を持ち、「死の国」の研究に魅入られていた。

野心的で高慢な若き日のアザールは、好奇心のために「死の国」の力の可能性を試そうとした。子供の頃から愛する猫が生涯を閉じようとしたその時、「死の国」が奪おうとする生命を取り返そうとしたのだ。 しかしアザールの魔力がどれほど強かったとしても、「死の国」の力は人間の手におえるものではなかった。

彼女は愛猫の命の代償に、自らの寿命の幾年かを差し出したつもりだったが、死の国が奪ったのは少女の顔という未来だった。愛猫は若さと未来を取り戻したかのように家中を跳ね回った。しかしそれが続いたのはひと晩だけだった。

侯爵家の汚点として世間から隠されたアザールは、父親から差し向けられた暗殺者を葬り、メルソミニエへ亡命した。 メルソミニエの女王は死の国の力を操り、蘇る屍者にすら寛大だとされている。アザールは女王に保護され、顔を取り戻す研究を続けている。